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気まぐれ屋本舗

元死刑囚の歌人

この本は死刑執行後に発行されました

元死刑囚の歌人【 島 秋人さん 】

 

この著者は、死刑執行までの7年間独房で
和歌を書き続けた人。

死刑囚がなぜ和歌を書くのか
それは、褒められたからです。

 ………

人を殺してしまいましたが
後生は人々から賞賛を浴びる人となります。

人生はわからないのです。

 
生い立ちは大変苦く、幼い頃に母親を亡くし家も貧しかったとのこと。
周りから馬鹿にされ、1度も人から褒められたことがなかった半生

やがて大人になり
やがて罪を犯し
そして人生が一変した

………

独房で自分の半生にふけていた夜、とある教師が頭を過ったそうで中学の時の美術の先生。

「君の絵は上手くないが、構図が良い」
唯一褒めてくれた人だったのを、今になって思い出したとか
 

何十年も経ってるけど、その先生にあの時のお礼をと一通の手紙を書く

先生は勿論、そんな生徒のこと覚えてなかったですが
お返事を書いてくれたそうです。

その中に、先生の奥さんが一句の和歌を書き入れてくれて一緒に届く。
これが本人嬉しくて嬉しくてたまらなかったそうです。

きっと、はじめてのプレゼントだったんじゃないかな

これがキッカケです
和歌との出会い
何句も何句も書く
彼の和歌は余りにも美しく
やがて人々を魅了する

そして、たくさんの賞賛を浴びるようになった実話です。

罪を犯し一変
そして独房でも一変
どんな人にも輝く瞬間があるという事。

………

1967年
処刑台に立たされる前の最後の和歌がこちら

「土ちかき部屋に   移され処刑待つ 
ひとときの温き   いのち愛しむ」

この本は、死刑執行後に発行されました。

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